脳について

海馬・歯状回 ( 記憶、情動、本能、統合失調症に関連する部位 )について

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Hippocampus_image

海馬体(かいばたい)は、記憶や空間学習能力に関わる脳の器官で、動脈血量の減少による局所の貧血(虚血)に対して非常に脆弱であること、ストレスに対しても非常に脆弱であるとされ、心理的・肉体的ストレスの負荷により長期間コルチゾールの分泌されると神経細胞の萎縮を引き起こします。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病の患者にはその萎縮が確認され、統合失調症との関連が指摘されています。また、最近ではストレス負荷が海馬 歯状回における神経新生を阻害することで海馬機能に変化を与え、記憶・学習能力や情動行動制御に関与していることが示唆されています。
海馬の主細胞 (錐体細胞, 顆粒細胞) が周期的に興奮すると, 長期増強反応 (LTP) が最も効率よく発生します。 海馬においてシータ波(θ波)は記憶情報の固定に最適の条件を提供します。
海馬にシータ波(θ波)を発現させるのが, 内側中隔核、対角帯核アセチルコリン神経で、GABA入力によりシータ波(θ波)を発現。
セロトニンやノルアドレナリンはレム(REM)睡眠を抑制します。レム(REM)睡眠を誘発するアセチルコリン神経を活性化した場合はシータ波(θ波)は出現しない。
正常だとアルファー波(α波)が高く、シータ波(θ波)が低い。働きが悪いとアルファー波(α波)が低く、シータ波(θ波)が高いと知られている。また、シータ波(θ波)が高くなると認知症と考えられています。

アルツハイマー病の主原因は、海馬(CA1)の萎縮から発症し、やがて大脳皮質の前頭葉の一部部位の萎縮して、記憶障害、論理的な思考に影響を及ぼします。
萎縮に対しての病因は、神経細胞の変性により起こります。 神経細胞が分泌したアミロイドβ蛋白質が蓄積され神経細胞のシナプスを破壊して(アミロイドβ蛋白質の固まりははシナプスにとって毒性が有る)、
その後、神経細胞の中にタウ蛋白質が沈着(神経原線維変化)により神経細胞が変性を行い萎縮が始まり発症すると報告されています。
アミロイドベータ蛋白質の蓄積は、発症前25年前、タウ蛋白質の沈着は15年前、海馬の萎縮は、5年前から始まり発症すると米国ワシントン大学をリーダーとするDIVAN研究チームが示唆しています。

最近、リハビリテーションにより海馬では、新しい神経細胞を生み出す事が可能と解ってきました。(運動により神経成長因子「VGF」の分泌を促進される遺伝子の働きが活性化する事が判ってきた。VGFとは、海馬の神経細胞の修復や成長に関与する物質)

アルツハイマー病の現因とされる蛋白質の凝集を抑える食べ物としては、中鎖脂肪酸、ビタミンE、クルタミン(ウコンに多く含まれる)、カテキン(緑茶に含まれる)、ポリフェノール(ワインに含まれる)、オメガ3脂肪酸(青魚に含まれる)があります。

 

記憶を司る海馬は、目、耳、鼻(日常生活)から記憶のもととなる情報を全て海馬に一度集められ最終的には海馬によって大脳新皮質で永久保存されます。海馬は記憶の定着に重要な役目を果たしています。
海馬を活性化することにより、学習能力アップに繋がります。

海馬は、3つの部位からなり、(CA1、CA2、CA3)CA3野の錐体細胞は歯状回からのシナプス入力を
    受けている部位です。

歯状回、顆粒細胞(Granule Cell)と呼ばれる細胞の層を持ち、その外側は分子層と呼ばれる。顆粒細胞は
     比較的小型の細胞であり、樹状突起を分子層側に、軸索を海馬のCA3領域の内側に向かって伸張
     されています。この軸索は苔状繊維とも呼ばれています。

記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれています。帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)
情動・本能などに関与するほか、恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。

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